皆さんこんにちは!
TreasureShipの更新担当の中西です。
~自分で考える力~
就労支援の現場では、利用者の方からさまざまな相談を受けます。
「この仕事はどうすればいいですか」
「次は何をすればいいですか」
「失敗したらどうしたらいいですか」
そんなとき、支援者がすぐに答えを教えることは簡単です。
しかし、毎回すべての答えを支援者が出していると、本人が自分で考える機会が少なくなってしまうことがあります。
就労支援A型では、仕事をできるように支えるだけではなく、“自分で考え、相談し、選ぶ力”を育てることも大切です。
★ すぐ答える前に一度聞いてみる
利用者の方から質問されたときに、すぐ答えを伝えるのではなく、
「どうすればいいと思いますか」
「前はどうしましたか」
と聞いてみることがあります。
もちろん、本当に分からないことまで無理に考えさせる必要はありません。
しかし、本人がすでに答えを知っている場合もあります。
自分の考えを言葉にする機会をつくることが大切です。
☆ 選択肢を一緒につくる
自分で答えを考えることが難しい場合には、いくつかの選択肢を示す方法もあります。
この方法と、この方法なら、どちらがやりやすそうですか。
午前中に取り組むのと、午後から取り組むのではどちらが良いですか。
選択肢があることで、自分で選ぶ経験につながります。
★ 自分で選んだ経験が自信になる
誰かに言われた通りにできた経験と、自分で考えて選んだ方法でできた経験では、感じ方が違います。
「自分でできた」
という感覚は、自信につながります。
小さなことでも、自分で考える機会をつくることが大切です。
☆ 失敗から考える時間をつくる
仕事をしていれば、失敗することもあります。
そんなときに、支援者がすべて修正して終わるのではなく、「次はどうすれば防げそうですか」と一緒に考えることが大切です。
確認する場所を増やす。
作業前にメモを見る。
分からないときに相談する。
自分なりの対策を考えることで、同じ経験を次に生かせます。
★ “失敗しない環境”だけが良い支援ではない
失敗しないように先回りしてすべて準備することは、一見すると優しい支援に見えます。
しかし、本人が自分で気づいたり工夫したりする機会が減ってしまう場合があります。
もちろん、安全や大きなトラブルに関わることは事前に防ぐ必要があります。
そのうえで、経験から学べる部分については、本人に任せることも必要です。
☆ 報告や相談も一つの仕事として身につける
職場では、すべてのことを一人で判断する必要はありません。
分からない。
間に合わない。
ミスをした。
そんなときに報告や相談ができることも、大切な仕事の力です。
「何でも一人でできる人」を目指すのではなく、「必要なときに助けを求められる人」を目指すことも重要です。
★ 支援者は“相談できる存在”になる
何か問題が起きたときに、「怒られるから隠そう」と思われてしまうと、支援は難しくなります。
だからこそ、困ったときに最初に相談できる関係づくりが大切です。
間違えても、まず状況を聞く。
何があったのか一緒に整理する。
そのうえで、次の方法を考える。
この積み重ねが信頼につながります。
☆ 本人の言葉を待つ
会話が得意ではない方の場合、質問してすぐに答えが返ってこないこともあります。
そのとき、支援者がすぐに答えを代弁してしまうと、本人が話す機会を失います。
少し待つ。
質問を分かりやすく言い換える。
本人が自分の言葉で話せる時間をつくることも大切です。
★ “できること”は少しずつ本人へ戻す
最初は支援者と一緒に行っていた仕事でも、慣れてきたら少しずつ本人へ任せます。
最初は手順を一緒に確認する。
次は最初だけ確認する。
その後は本人に任せて、最後に確認する。
段階的に支援を減らしていくことで、自立した働き方につながります。
☆ 自分で振り返る習慣をつくる
仕事が終わったときに、
「今日はどうでしたか」
「うまくできたことは何ですか」
「次に気をつけたいことはありますか」
と振り返ることで、自分自身の状態や仕事を考える力が身につきます。
支援者から評価されるだけでなく、自分自身で振り返ることが大切です。
★ 本人の目標を本人の言葉で決める
目標を支援者だけで決めると、本人にとって“やらされる目標”になってしまうことがあります。
だからこそ、
「次は何ができるようになりたいですか」
と本人に聞くことが大切です。
自分で決めた目標だからこそ、取り組む意味を感じやすくなります。
☆ 自立とは“一人で全部やること”ではない
自立というと、「誰の助けも借りずに全部一人でできる状態」を想像するかもしれません。
しかし、働くうえでは誰でも周囲に相談します。
分からないことを上司へ聞く。
忙しいときに同僚へ助けてもらう。
必要な制度や支援を利用する。
自分に必要な助けを理解し、適切に求められることも自立の一つです。
⭐ 支援者は“答えを教える人”だけではない
就労支援A型における支援者の役割は、すべての答えを与えることではありません。
本人が考えるきっかけをつくる。
選択肢を一緒に整理する。
失敗したときに振り返る。
できることは少しずつ本人へ任せる。
その積み重ねが、自分で働く力につながっていきます。
私たちも、ただ「助ける」だけではなく、一人ひとりが自分で考え、自分らしい働き方をつくっていけるような支援を大切にしていきます。