皆さんこんにちは!
TreasureShipの更新担当の中西です。
~大切にしたい本人のペース~
就労継続支援A型は、働く機会を提供すると同時に、一人ひとりが自分らしく仕事を続けていくための支援を行う場所でもあります。
だからこそ、「仕事だからこれくらいできて当然」という考えだけでは、良い支援にはつながりません。
もちろん、仕事として守るべきルールや責任はあります。
一方で、その人がどのような状態で、どのような目標を持ち、どのくらいのペースなら安定して働けるのかを見ることも大切です。
今回は、“働くことを押し付けない支援”について考えてみます。
★ 働き方のスタート地点は人それぞれ
長く仕事を続けてきた方もいれば、働くこと自体が久しぶりの方もいます。
決まった時間に外へ出ることに慣れていない方もいれば、人が多い環境に不安を感じる方もいます。
つまり、“働く”という同じ言葉でも、スタート地点は一人ひとり違います。
だからこそ、最初から全員へ同じペースを求めるのではなく、その方が今どこにいるのかを見ることが大切です。
☆ 通所できたことも一つの前進
仕事というと、作業量や成果に目が向きがちです。
しかし、利用開始直後などは、「今日も職場に来ることができた」ということ自体が大切な前進になる場合があります。
生活リズムを整える。
決まった時間に準備する。
職場へ来る。
一日の仕事を終えて帰る。
この繰り返しが、働き続けるための土台になります。
★ 本人の目標を知る
支援するうえで大切なのが、「本人が何を目指しているのか」を知ることです。
長く安定して働きたい。
もっと仕事を覚えたい。
一般就労を目指したい。
人とのコミュニケーションに慣れたい。
目標は人によって違います。
支援者側だけでゴールを決めるのではなく、本人の希望を確認しながら一緒に考えることが重要です。
☆ 目標は小さく分ける
大きな目標だけを掲げると、なかなか達成できず、自信を失ってしまうことがあります。
だからこそ、目標を小さく分けることが大切です。
まずは一週間安定して出勤する。
次は新しい作業を一つ覚える。
その次は自分から報告する。
小さな目標を達成するたびに、「できた」という経験が増えていきます。
★ 無理を続けることが“頑張る”ではない
仕事では頑張ることも必要です。
しかし、毎日限界まで無理をすることが良い働き方とは限りません。
無理を重ねて突然働けなくなるより、自分の状態を理解しながら安定して続けることが大切です。
疲れている。
集中しにくい。
少し調子が良くない。
こうしたことを本人が相談できる環境をつくる必要があります。
☆ できる日とできない日があってもいい
人の状態は毎日同じではありません。
昨日はスムーズにできた仕事でも、今日は集中できないことがあります。
その変化をすべて「やる気がない」と判断してしまうと、本人は相談しにくくなります。
いつもと違うと感じたら、まず状況を見る。
必要に応じて声をかける。
その日の状態に合わせながら働き方を考えることも大切です。
★ 本人が言いやすい雰囲気をつくる
支援者から見れば、「困ったら言ってください」と伝えているつもりでも、本人は「迷惑をかけたくない」と我慢している場合があります。
だからこそ、普段から短い会話を重ねることが大切です。
今日の調子はどうですか。
作業で困っていることはありませんか。
最近この仕事には慣れてきましたか。
日常的に話せる関係があることで、困ったときにも相談しやすくなります。
☆ ルールは理由まで伝える
職場には、守るべきルールがあります。
時間を守る。
報告する。
作業手順を守る。
しかし、ルールだけを一方的に押し付けると、「怒られないために守る」という意識になってしまうことがあります。
なぜそのルールが必要なのかまで説明することで、仕事としての意味を理解しやすくなります。
★ “注意”と“人格否定”を分ける
仕事上、注意しなければならない場面はあります。
しかし、「この作業は直しましょう」と伝えることと、「あなたはダメだ」と否定することはまったく違います。
改善してほしい行動を具体的に伝え、本人そのものを否定しないことが大切です。
安心して失敗できる環境だからこそ、人は次の挑戦ができます。
☆ 成長を本人と一緒に確認する
定期的に、「最近できるようになったこと」を本人と一緒に振り返ることも大切です。
以前は難しかった作業が一人でできるようになった。
出勤が安定した。
相談できるようになった。
本人が自分の変化を知ることで、「もう少しやってみよう」という気持ちにつながります。
★ 急がせないけれど、止めすぎない
本人のペースを大切にすることは、ずっと同じ仕事だけを任せることではありません。
慣れてきたら、少し新しい仕事に挑戦してみる。
できそうであれば、任せる範囲を少し広げる。
本人の状態を見ながら、無理のない範囲で次のステップへ進むことが大切です。
☆ 支援者自身も焦らない
支援する側が、「早く成長してもらわなければ」と焦ってしまうことがあります。
しかし、人の成長には時間がかかります。
一度できたことが、また難しくなることもあります。
少し進んで、少し戻りながら成長することも珍しくありません。
だからこそ、長い目で見ることが必要です。
⭐ 続けられる働き方を一緒につくる
就労支援A型で大切なのは、「たくさん働けるようにすること」だけではありません。
その人が無理なく、安心して働き続けられる状態をつくることです。
本人のペースを見る。
目標を一緒に考える。
無理をしていないか確認する。
成長した部分を共有する。
その積み重ねが、長く働く力につながります。
私たちも、一人ひとりのペースを尊重しながら、「働くことが自信につながる場所」を目指して支援を続けていきます。